腰椎椎間板ヘルニア
腰の骨の間にあるクッションの役割をする椎間板が背側に突出し、背側に走る神経を圧迫し、圧迫された神経の支配領域(多くは下肢)に痛みやしびれが生じる病気です。
腰椎椎間板ヘルニアがあっても、しびれなどの神経症状がなく、腰痛のみを訴える方もいます。
椎間板とは腰椎の椎体の間にあるクッションの役目をする板のことです。この椎間板が変性して後ろにとびだしてくると、脊髄神経を圧迫して様々な症状(腰痛、足のしびれ、麻痺など)が出現します。この状態を腰椎椎間板ヘルニアまたは腰椎ヘルニアと呼んでいます。症状は腰痛、足のしびれ(片足のことが多い)、筋力低下などです。また、ヘルニアによる神経の圧迫が強くなって、急激に症状が悪くなることがあります。これを急性馬尾症候群といい、痛みの増悪、足の麻痺と感覚障害の進行、排尿・排便障害を呈します。
腰痛と片側の下肢痛であることが多いようです。下肢痛としては、坐骨神経痛(殿部から下肢後面の痛み)であることが多いですが、椎間板ヘルニアの発生部位によっては大腿神経痛(大腿部前面の痛み)であることもあります。痛み以外に下肢のしびれ感、脱力感(筋力低下)、排尿障害(頻尿、残尿感、尿失禁)などが出現します。
男女比は 2〜 3: 1で、好発年齢は 20〜 40歳代です。
腰椎椎間板ヘルニアの多くは、保存治療で良くなりますが、 10-30%の方は手術が必要になると言われています。
検査法にはMRIがあります。
MRIとは磁力を利用して身体の中を調べる検査で、神経や筋肉など軟らかい組織を鮮明に写し出すため、椎間板ヘルニアの検査には必須と言えます。
他にも CT検査や、造影剤を注射する検査なども行われることがあります。
さらに、筋力検査や感覚検査などの神経的な所見を加味して、腰椎椎間板ヘルニアを診断しています。
急性期(発症~1・2週間)
痛みが強い場合、消炎鎮痛薬・湿布薬やコルセットを処方し安静をはかります。
またリハビリでは理学療法士が電気治療や徒手的に痛みを緩和する治療などを行いながら、体に負担の少ない動き方などをご案内します。
急性期以降
痛みが軽減してきたら運動療法を行います。
腰椎椎間板ヘルニアを発症した方は猫背などの姿勢不良の方が多く、その姿勢が椎間板を押しつぶす為に、ただ安静に過ごすだけでは再発の可能性が残ります。
そのため理学療法士が姿勢や柔軟性の改善と良い姿勢を保つ為の運動をご案内します。
手術療法が適応となる方
・日常の生活に大きな支障をきたしている方
・急激に症状が悪化した方
・3ヶ月以上保存療法を行っても症状が変わらない方
神経を圧迫している部位を後方から摘出する手術を行います。
当院では1週間程入院を致します。
術後のスケジュール
最初の1週間は安静を図りながら日常生活動作を習得していきます。
約1ヶ月は医師の指示のもとコルセットを着用します。
約3ヶ月でジョギングを開始し、約6ヶ月でスポーツに復帰できます。
腰椎椎間板ヘルニアについて書いていきました。
これからもブログを更新していきます。
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(2019年10月18日)